ポイズン
最終章・愛する覚悟
電気をつけなくても、そこにあげはがいることがわかった。

赤い目が彼女の存在を教えていたから。

「あげは」

俺は歩み寄る。

あげはの躰がビクッと震えたのがわかった。

「俺のじいさん」

「えっ?」

「高祖父……と言った方がいいか」

あげはの赤い目が俺を見つめる。

「俺の5代前のじいさんの名前は、“黒川正宗”。

あげは、お前が言う“正宗様”と同一人物だな?」
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