獣は禁断の果実を蝕むのか。
「で…でも。普通のOLですよ?」
そんな大役、出来るはずなんかない。
「出来る、出来ないじゃないだろう?やらなければいけないんだろう?失敗したら…」
ポンと肩を叩いて、会議室から出て行った。
ポツリとそこに残された私。
ベッタリと床の上に座って。
常務の出て行ったドアを見つめたまま。
常務の言いたかった
『崖っぷちだろ?』
の言葉に。
なんとか成功させなきゃいけない自分を奮い立たせるしかなかった。