愛するということ
顔の腫れは、隼人の手当のおかげで3日後にはきれいに元通りになっていたし、みんなの中では、『夏風邪』で寝込んでいた。ということになっていたから、特別気まずい思いをしなくてよかった。



あの日、隼人の部屋で泣くだけ泣いて、疲れて眠ってしまったせいで、次の日は、目が覚めていも瞼があかないほどだったけど、隼人の匂いがするベットで安心して眠れたせいか、気持ちはすっきりしていた。



小さいころから、拓馬よりも隼人と遊ぶことが多かった。


困っているといつも助けてくれるのは、隼人で、拓馬がいじわるをしても、隼人が助けてくれた。



だから、私の安全地帯はいつも隼人だ。




さすがに、高校生になった今でもいつも一緒とはいかないけれど。
でも、いつも隼人がいるって安心感は変わらない。



まだ、幼かった頃は、本気で隼人のお嫁さんになるんだって言ってたし。
隼人も『いいよ』って言ってたっけ・・・

そんなコト、できないって分かった時に、はじめてぽっかり穴が開いたような気持ちになった。





たぶん、はじめて感じた挫折感だったんだと思う。
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