TBL

最初の春

俺は北川中学校をこの春卒業し、憧れだった多魔川高等学校に進学することが決まったんだ！
周りのみんなには無理って言われ続けたけど、ムキになって勉強しまくってやった。
だから合格がわかった時には踊り狂ったように喜んだよ！

ではでは、なぜ俺が多魔高に執着していたか？
それは県内でもトップレベルの美女が集まるからである！
我らが北中からはマドンナの美籐凛！
隣の南中からは地元でも名の通ってる本城花奈や桐島結衣も来るらしい！
テンションが上がって上がってしょうがないよ！

そして、実は一番のワケがある。小学校の頃、俺が野球をはじめた理由がこの多魔高にある。それは今の監督の男虎雄三さ。
小1の夏休みに父さんの居ない俺は爺ちゃんと公園でキャッチボールしてたんだ。爺ちゃんが疲れたって言って日陰で休んでてさ、俺一人で退屈してたんだ、、、
そこに40くらいのおっさんが「暇ならキャッチボールしよう！おじさんとでもいいなら相手してくれよ！」と声を掛けてくれたんだ。
そしたらこのおっさんの球、決して速いわけじゃないんだけど小1のペーペーの俺でもわかるほど綺麗なんだ。
俺はこのボールを放れるように練習しまくった。次の日には少年野球チームにも入った。小学校ではエースで4番、中学校ではキャプテンの1番ショート。常に中心で活躍してきた。もちろん高校野球の舞台でも活躍してやる！

俺は小中学校で野球に明け暮れつつも、中1の時、例のおっさんの所在をつかんだ！
名前は男虎雄三。多魔川高等学校の体育教師であり、野球部の顧問。県立の多魔高をたった3年で神奈川のベスト4まで連れていくといった偉業を成し遂げていた。
やっぱスゴい人だった。そして同時に絶対ついて行きたいと思った。


そしてイマ。
最高の舞台が整った多魔川高校でのLIFEがいま始まる。