学校からの下校途中、私は死んだのだと思う。

背後からの激しい衝突を受け、体は凄い勢いで前に飛ばされた。そして何度かゴロゴロと転がる。

一瞬、ワケわかんないほどの激痛に襲われたけど、それも長くは続かず、薄れゆく意識とともに徐々に消え去っていった。

私ってなに?空気、風、雲…。

そうしたものとは考えにくい。

もしかしたら私は、幽霊になったのかな?

でも何か違う。私の意識とか、記憶とか、感情だけがプカプカと空中を漂っている、そんな感覚だ。

空中から地上を見下ろせば、折りたたみでもないのにあり得ない角度でトランスフォームした私の自転車。グニャグニャだよ。

その近くには、無残にも変わり果てた私の遺体が横たわてっるし。

電柱横の軽自動車は仰向け状態で白煙を上げてる。

そうした交差点の惨状を赤々と照らす救急車とパトカーの回転灯。

ああ、納得したよ。さっきの衝撃は自転車ごと軽自動車に追突されたんだね。明日の新聞に載るのかな『自転車で下校中の女子高生、柏木里美さん(17歳)が事故死』なんてね。