【完】甘い生活～危険な幼なじみに溺愛されて～【上】p356まで加筆済

そう安堵の息をついてから、ふと、まだ
朝田君が私を見つめていることに気がつ
いた。



どこか慈しむような、そんな穏やかな視
線の朝田君に。



少し。


少しだけど、照れちゃって。パッと思わ
ず視線を落としてしまう。



でも、だって……朝田君が、あんまり優
しく微笑むんだもの。直視してられない
よ……。



「あ、あの……お大事に！私、もう帰る
から！」



なんだか居たたまれなくなった私は、取
って付けたようにそう立ち上がった。



「おう。気ぃつけて帰りな。今日はほん
まにありがとな」

「も、もー！そんなにいっぱいお礼言わ
れたら照れるよ！じゃあ、また明日！」



私はそう言うと、手を振って外へと出た
。



でもまさか、ドアを閉めた後で朝田君が
顔を赤くして



「ヤベェ……」



って呟いてるなんて思いもしなかったけ
ど。