不良だらけの危険なバイトッ☆
* 愛してる

「今話した通りだよ」


真っ暗な倉庫の中。


窓から差し込むわずかな明かりを除いて、目の前の奴の顔さえはっきりしない。


「今更そんなことができると思ってんのか」


「…知らない…でも」


まっすぐ前を見据える。


「やるしかないんだ」


「ふざけんじゃねえぞ」


殺気が、嫌なくらいに伝わってくる。


この空気だけで、吐きそうだ。


「一度入った以上、最後まで働いてもらわなきゃ困る」


「……」


夜の世界は、それくらい危険な場所。


特に、ここの店は。


「お前を拾った俺への感謝も忘れたのか」


「いえ…


でも俺には今、守りたい人がいます」

< 391 / 527 >

この作品をシェア

pagetop