「橋本先輩ってかっこいいよね!私、告白しようかなぁ」
廊下を歩いていると、たまたまそんな会話を耳にしてしまった。
橋本先輩……
ボクも密かに想いを寄せる相手。
しかも告白しようかなと言っている女の子は、姫ちゃん並に可愛い子だった。
どうしよう……
このままだと先輩が……
「姫ちゃん!ボク、ちょっと行ってくる!」
隣を歩いている姫ちゃんにこう告げると、一目散に駆け出していた。
「えっ!?純ちゃーんっ、部活はー?」
姫ちゃんが後ろでこう叫んでいたけど、ボクは止まることを知らなかった。
ただ走る。
―――大好きな先輩の元へと