どれくらいここにいたんだろう。
今が部活中だということも忘れ、ずっとグランドを見つめていた。
突然、屋上の扉が開くまでは。
「ここにいたんですか、横井さん。探しましたよ?」
管弦楽顧問の内藤先生。
やばい、見つかった……
部活サボってたのバレちゃったし。
「部活サボってこんなところで何やってるんですか」
「……ごめんなさい」
分かりやすすぎる大きな溜息を吐きながら、先生が近づいてくる。
そんなに呆れた顔しなくても、いいのに……
「もうすぐ文化祭が近いんですから。ほら、早く行きますよ」
「……行きたくない」
何もやる気が起きない。
今日は部活に出る気分じゃなくて……