SoUnD~僕らの世界~
PART 3

「いってきまーす」



ギターを背負ってバス停に向かう日々。


あれから一週間以上もの日にちが過ぎていた。



今日も俺は淡い期待と、不安を胸に足を運んでいた。




そして、その時間にバスは来た。



バスに乗り込み、定位置に向かう。


「あ・・・」



「・・・え。」




―――いた。




「未那・・・」


「雅、くん」




「相変わらず、だよな。くん、いらないし。」


「そうだね。・・・ここ、座る?」



こうだったな。



一週間前の日常が凄く懐かしく感じる。


俺は未那が空けてくれた席に座った。


俺の心臓がトクトクトクッ、と脈を打っている。



自分の左側から未那の存在を感じる。


未那のつけている香水、未那の体温。



隣にいるからこそ分かることなんだ。



「久しぶりだね。」



「そうだな。」


「「・・・・・・」」

< 69 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop