SoUnD~僕らの世界~

久しぶりだから何を話したらいいのかわからない。


俺も未那も話しづらくてたまらないんだ。



今まで何をしてたんだ、とか。


俺を避けてたのか、とか。


彼氏と上手くいってるのか、とか。




そんなこと、俺が聞く必要は無い。


俺は未那の彼氏じゃない。



知人、なんだから。



隣にいるのに、こんなに近くにいるのに、すごく歯がゆい。



好きなのに・・・届かない想いが、痛い。




「何話したらいいのか、わからないね。」


「・・・だな。」




こんなことしか言えない俺に腹が立つ。


今の俺は普通にできているんだろうか。



未那は俺のこの気持ちに気づいてないよな?


今はまだ、気づかれちゃだめなんだ・・・。



今のこの関係を壊したくない。


また、未那に会えなくなるのが怖い。



だから、今は・・・何も言えないし、できない。



「・・・じゃぁ、降りるね。学校頑張って。」


「おう。また、な」



「うん。」



『また明日』と言えない自分。


これも、嫌われたくないからこその言葉だった。

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