僕は
大海原を渡る大型の帆船の水夫だった


潮風に当たろうと
船縁に立って
水しぶきの上がる海水面

見つめていた


その夜は新月だったので
海水面の様子
まで
はっきりと見えなかった


僕はそこに鯨がいることに
気づいたのだが……



*掌編小説数篇収録。