キラリ
ダサくてぱっとしない千明だけど、ピアノだけは上手い。


と言っても、プロを目指して特別な訓練を受けてるわけでも、絶対音感のような才能があるわけでもない。


ピアノを習っていない人よりは上手い、という程度だろう。



私の願いも空しく、千明は複雑そうな一節を流れるようにすらすらと弾き続けた。



――ピアノが弾けるくらいで何だってのよ。




実は私も小さい頃、ピアノを習った事がある。


千明は覚えてないかもしれないけど、私も千明と同じ、市内のピアノ教室に通っていた。
< 20 / 169 >

この作品をシェア

pagetop