【完】愛の血−超勝手な吸血鬼

いろんな気持ち



それから毎朝、京香が迎えに来てくれて。

お母さんには、京香と一緒に行くから椎名冬夜に頼まないでって何回も念を押した。

お母さんが頼まなきゃ椎名冬夜は来ないから。



休憩時間に繭ちゃんに声をかけられた。

あの噂があってから、繭ちゃんとは距離を置くようにしてたんだ。

だって、あたしのせいで繭ちゃんまで巻き込んじゃってるんだもん。


転入して数日しかたってないのに、うちの学校の裏サイトに繭ちゃんの名前まで載るなんて……。



「仁奈ちゃん、誰もいないところで話したいんだ」



そう繭ちゃんに言われてドキッとした。

もしかして? って思った。


もし、あの噂の事なら……繭ちゃんに謝らなきゃ駄目だよね。



「京香、ちょっと屋上いってくるね」

「大丈夫?」



あたしの耳元で言う京香に



「大丈夫だよ、繭ちゃんも一緒だし」



と笑顔で返事した。








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