【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「あはははははははっ!」
教室に響き渡るくらいの大声で笑う、京香(キョウカ)。
「もう、真剣に聞いてくれるって言ったのにぃ」
少し怒ったあたしを見ては、また笑う。
「だってっ、だっ……ぶっ!」
笑ってばかりで何を言ってるのかわからない。
朝、学校であたしの顔を見るなり
『何かあった?』
って心配そうに聞いてくれた京香に昨日の事を全て話した結果がコレだったんだ。
もう、最悪。
こんなに馬鹿にされるなら話さなきゃ良かったよ。
「ごめん、ごめん。でも、そんなかっこいい幽霊なら良かったじゃない」
「……そういう問題じゃないと思うんですけどー」
皆、馬鹿にし過ぎなんだよ、絶対。
ママだって、京香だって。
もっと心配してくれてもいいじゃんね。