お姫様は王子様を演じてる

戦場へいざ行かん!!

寝ている私の体を掴んでユサユサと揺らす人がいる…



何だよー、まだ眠いよ…
寝かせてくださいよ。



「起きてー真琴。
朝だよ、起きてー起きてー起きてー」



耳元で聞こえる『起きて』の連呼。



ああ…悠斗か…



実はもう起きてます。
だってうるさい。



私を避けていた悠斗に起きろと言われても、素直に瞼を開ける気にはならなかった。



寝たふりを決め込む私の耳に音程の不安定な歌が入ってくる。



「朝がくればーーテュモロいいことがあるーーテュモローテュモローテュモローテュモローあいらびゅあーー…」



えっ!?
まさかの耳元で歌攻撃?


しかも選曲アニーかよ……明日、明日、英語でいい過ぎだから。



ああー、耳障り過ぎる…



「……ちょっ、悠斗!!
うるさい!!耳元で歌わないでっ」



飛び起きた私を見てニヤリと悠斗は笑う。



嵌められた……
そう気づいた時には、私は体をズルズルと引きずられて部屋からひきずりだされていた。


< 127 / 190 >

この作品をシェア

pagetop