君と、世界の果てで
(4)暗闇の悪意
いよいよ、ライブ当日。
4組のタイバンで、WORLDS ENDの出番は、3組目。
持ち時間は30分。
この前俺がアレンジした曲は、何とか形になり、今日が初披露だ。
それよりも俺達を緊張させるのは。
言うまでもなく、あの悪意の書き込みだった。
崇文が話してくれたおかげで、渚も事態を理解した。
俺達3人は、まるで姫を守る騎士のように、深音から離れなかった。
「大丈夫、ただのイタズラだよ」
一人にならないように、家から衣装を着てきた深音が、逆に俺達を励ました。
「深音、なんかいつもと感じが違う。
カッチョイイね」
「そう?ありがと」
今日の衣装は、フリルの無い大きめの白いカッターシャツの胸に、ゆるく蝶々結びをされた黒いリボン。
下には、裾を斜めにカットした、赤のプリーツスカート。
グレーのニーハイソックスに、黒のブーツ。
頭には、赤い薔薇と黒いリボンの飾りが付いている。