君と、世界の果てで
「次がラストです。
みなさん、本当に今日はありがとう。
燃え尽きていって下さい。
……“World's end”!」
毎度お馴染みのギターソロに、観客は一気に息をふきかえし、地面を蹴りだす。
先程の曲では一度も出なかったシャウトが響く。
残りの命を、全て吐き出すかのように歌う深音の周りに。
あるはずのない幾千の星が瞬くのが見える。
観客は手を振り上げ、伸ばし、彼女に新たな力を送り込む。
いや。
力を送り込まれているのは、観客達の方かもしれない。
かつて感じた事の無い程のパワーが、小さな箱を満たしている。
「World's end!」
最後の最後、深音の大きなジャンプと共に、それは爆発し。
盛大な拍手に送られ、天へ昇華していった。