野獣の飼い主
無視はやりすぎだったみたい。

なんで校門に居るの?

王様が塀に寄りかかり誰かを待っていた。

その周りには付き人が張り付いている。

通る人全員に睨みをきかせている。

それは通りすがりの人もしていた。

皆びくびくしながら帰ってるよ…面倒なことにならなければいいけど…。

「獅子島じゃねぇか」

「あァ?」

「この間の借りだ!!」

不安的中。

王様―獅子島の姿を見つけた他校の生徒が、いきなり喧嘩を仕掛けてきたのだ。

しかも校門の前でだ。

いくらこの学校では日常茶飯事と言っても…場所を考えてほしい。

まだ一年生は帰ってないんだよ。

ため息が出そうだ。

今日のような厄日は早く寝よう…うん、そうしよう。

聞きたくない効果音を耳に入れないように歩き出した。
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