君と本気のラブゲーム

+アイスクリーム






――――そして、いよいよ、2日目。


「はああぁーー」


私は、3年生の女子用更衣室、兼控え室として割り当てられた教室の片隅で、今日何度目か分からないため息を吐き出した。


控え室って言っても、長机がいくつか並べられ、それに合わせるようにパイプ椅子が置かれているだけの教室だけど。


「どしたのアヤ、さっきからそんなにため息ついて」



はじめは何も触れてこなかった嘉乃も、さすがに朝からずっとため息の止まらない私を不思議に思ったのか、そう訊いてきた。


もうすでに着替えを終えた嘉乃は、昨日と同じ着物姿だ。


私はもうとっくに着替え終わってるけど。着替えっていうか、羽織るだけだけど。



「どうしたのって…。今日もあんなに忙しくなるかと思うと…。私多分昨日、後半は笑顔ひきつってたと思うよ」



「え?そんなこと無かったよ。でもまぁ、確かに中でおばけやるより外で受付してる方がずっとお客さんに見られてるわけだし、大変だよね」



苦笑して言った嘉乃に、私は頷く。


ホント、見られてるって、キツいわ。



「でも今日は昨日の反省生かしてちゃんとスタッフが足りなくならないようにシフトも調整したし、大丈夫だよ。アヤ、今日は午前だけでしょ?」


励ますように嘉乃はそう言う。


「そうだけどさー…」


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