これからの季節に~新雪初めて踏むきもち~【完】
クリタは夢の中でそれを見た。
クリタは、何だか見覚えがあると思って言った。
「あ、こんにちは」
そのきらきらと光をまとわせている青年は言った。
「おいコラ」
クリタは言った。
「え、何ですか?」
「俺は、あなた達が、いつも、会話している、鏡の、精霊です」
クリタはおじぎをした。
「あ、はい。どうもありがとうございます」
「お前、鏡の事を何とも思ってないだろう」
「え?ああ、はい」
「たまに磨いてるのは良いぞ」
「はい。どうもです」
「あと」
「はい」
「サヤカちゃんを大事にしろよな」
「ふふふ。ああはい」
クリタはそこで目が覚めた。
「何て夢だったんだ…」
< 12 / 24 >

この作品をシェア

pagetop