これからの季節に~新雪初めて踏むきもち~【完】
サヤカは夢の中で、鏡の精霊に会った。
光を纏った青年は言った。
「こんにちは」
「あ、はい。こんにちは。何でしょう」
「私はあなたがおじいさんから貰った鏡の精霊です」
「あ、そうなんですか」
「あなた達ずーっとそうじゃないから、僕しびれきらして、いい加減言いますけど」
「え、はい。何でしょう」
「あなた達、鏡で、実際に会いたいとかいう話をしたら、その度に、鏡がちょっとひび割れますからね!」
「え、ええ!?そんな話、した事無いです!!あの鏡大事です!」
「まあ、そんなあなた達に免じて、携帯の番号とメルアド教えるのはOKのルールになりました」
「え、あ、はい。今度します」
「忘れないように。仲の良いあなた達。必ず会うように。はい、あなたは起きます」
「え?」
そこでサヤカは目が覚めた。
「わー!」
初めて、サヤカはそういう夢を見た。
< 13 / 24 >

この作品をシェア

pagetop