わたしの前から突然、消えたモノ…
わたしは決めた。
この人なら大丈夫かもしれない。

よし、話してみるか。

わたしの心ちゃんと聞いてくれる?

男は、頷いた。

わたしね、人の顔が見えなくなったの。
どの人間も首から上がない、ほんとに。

いきなり言っても信じないだろうけど。

だって…
話してる本人もまだ信じれないんだし。 でも、事実なんだ。

男は黙ってる。

わたし、ずっと人間は顔が
一番って思って生きてきたの。

だから…
自分の顔だってがんばって可愛くして、
きれいになろうって努力した。

もちろん、好きな男だって…
顔だけで判断してきた。

だって、心なんて見えないじゃん。

顔は誰にだって簡単に見えるんだよ?

でも、その顔がこの世から消えたんだ。

少なくともわたしの視界からは…

これって神様が与えた罰なの、かな?
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