プラトニック
「なんかいまいち想像できへんよな。葵のセンセイ姿」

「似合わないのは重々承知しております」


こんどはヒロトが声を出して笑った。


たいして面白くなくても笑えるという部分で、わたしとこの男はある意味似た人間だ、と思った。



さっき聞いた安っぽい音が、こんどは頭の中で響く。




その後はビールを4杯飲んだ。

3杯目まではお店で、そして4杯目はラブホで。


冷蔵庫から出した缶ビールをグラスに注いでいると、後ろからヒロトが抱きついてきた。


くずれるようにベッドに倒れこんだ。


「俺な、葵ともう一回したいなあって思っててん」


率直なせりふが可笑しくて、笑った。



わたしを抱くために恋だの愛だの口にしない男が、わたしは好きだ。


いっそのことセックスに意味なんかなくなればいい。

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