東京へ 〜僕の夢を乗せて


サヨナラ君の声


ヘッドフォンの中から聞こえてくるは恋の歌


ああ僕の心に置き手紙をした君を想っていた


駅へ向う人の群れ


皆一様に険しい顔つきでねぇ


僕も少し足早になるよ


僕はその群れ抜け出し


人目気にせず逆方向へ走った


今だその道が正しいかわからぬまま


帰っておいでと声がして


僕はその場立ち止まりふと振り向いたけど


誰の姿も在りはしない


君の声は聞こえない


無くしたものがある捨てたものがある


だから今日君に歌うよ


ああどれだけ季節が
流れても


この空は繋がってる


高層ビルが建ち並ぶ見慣れぬ町にも慣れた


いつか約束したあの場所までもう少し歩かなくちゃ


今あの日駅で待つ


僕の隣に座った君は
もういない


ああ忘れることを
選んだなら


僕の声は聞こえない


そして二人離れていく


繋いだ手離し僕は
東京へ向うよ


ああそれでも恋をしたのは

なぜ?只想いは募った


君がどんな声で歌うかを
知りたい


君がどんな声で笑うかを
知りたい        


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