【完】小野くん症候群






「……」


「……」


「お…小野くんなんでそんなに見るの」


「んー」



いつかのように

机に突っ伏しながら上目で

あたしを見つめるその視線に
あたしはさっきからクラクラだ。



「内田、分かりやすいから見てて飽きない」


「っ」


「ほら、すぐ赤くなる」



してやったり

というように笑う小野くん。



内田を殺す気ですかこの人。



「ぉ、終わった!」


「おー、頑張ったじゃん。

じゃあ、帰るか」


「あ、ご…ごめんね小野くん。

18時過ぎちゃった」



時計の針は18時25分を指してる。

あそこのアニメショップは19時まで。

今から行っても
もうとっくに閉まってる。



「や、今日はいい。
もともと金ないからダメだったし」



「あ、そうなの? よかったー」






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