【完】小野くん症候群





なんか拍子抜け。

ていうか…小野くん。



「どんだけ買うの」


「んー、あと二個」


「うあああ、もったいな」



次々コインを浪費する小野くんは持ちきれないほどのカプセルを地面に置いた。


摩訶不思議な絵面だ。



「内田、半分持って」


「あ、うん」


言われた通りカプセルを持ち

ガチャガチャの隣にある
真ピンクのベンチに腰掛ける。


ベンチまで凝ってるとか凄い。


ベンチに気を取られていると
前方から小学生の軍団がやってきた。


しかもそのうちの一人が

小野くんに話しかけた。



『あ、由良だ。なあなあ、こいつ昨日リトルレッドマン当てたんだぜ!?』


「はん、残念だったなガキんちょ。俺はそれ一昨日既に当てたんだよバーカ」



お…大人げなこの人。


ぎゃあぎゃあ言い合う小野くんは
学校で見たことない表情をしていた。



へえ…小野くんって

そんな無邪気な顔するんだ。




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