イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~

無関心ボーイ、浮気する!?





ドキドキドキドキ!!



建物の陰に隠れて、耳を澄ませる。



たまたま見掛けた。



女の人と、刹那が歩いていく姿。



補習最終日だけど、そんなの関係ない!!



あたしは、こっちが気になる!!


話は途中からかもしれないけど、もう告白だって分かる。



だって、女の人の顔が赤いもん!



刹那、モテるんだもん。



カッコイイから…。



「ねー、どうしよう…?」


不意に聞こえた声に、ぴくっと反応する。



なにが、なにが?!



「おれは別れる」



……わかっ別れる!?



「そっかぁ。
そうだよね。意を決っさなきゃね…」



なんだか、急に聞いていられなくなったあたしは、その場を立ち去った。



教室に戻っても、『俺は別れる』がリフレインして。



泣きそうになるのを、必死に止める。



でも今日は、補習なんて出来る気がしなくて、悠希に謝って学校を出た。



『俺は別れる』



どういうこと?


あたしと別れる?



もしかして、あの人と浮気してた?



そう思ったら、無関心過ぎる行動も納得がいっちゃって。



< 10 / 33 >

この作品をシェア

pagetop