イヴの魔法~無関心な彼が甘くなる瞬間~
クリスマスイヴの魔法

無関心ボーイ、焦る





次の日



なにやってんだろ、あたし。


刹那との曖昧性も、悠希との曖昧性も決着付けてないのに。



こんな大学生と、ご飯食べてるなんて。



莉奈は、これでもかって程楽しんでる。



相当ショックだったんだろうなぁ。



「日和ちゃんってさ、どんな男がタイプなの?」



隣の席の人が、必要以上にあたしにくっつく。



気持ち悪い。



そうは思っても、言えないし…。



「そうですね、優しくて、あたしを大事にしてくれる人、かな?」



あーダメだ。
刹那、真逆だもん…。



なのに、なんでかな?



こんなに胸が苦しい。



ズルいな刹那は。



あたしにだけ、こんなに刹那を残して。



「えー、俺日和ちゃんのこと、大事にするよぉ?」



「アハハ…」


大事に、ねぇ。



自分でいっときながら、馬鹿だなって思う。



きっと、あたしのタイプは、刹那なんだ。



今、刹那から逃げようとしてるんだ。



分かっちゃうと、ほんと自分が惨めに感じる。



< 16 / 33 >

この作品をシェア

pagetop