青いブレスレット
びっくりしてケータイを落としそうになったけど、急いで出た。


「もしもし!?」


『もしもし?雪川さん?』


やっぱり水原くんだ…。


『メールより直接話した方がいいかなって、こういう話は』


「あ、そうだよね、メールとかだと残っちゃうし」


『それに、声聞けるし』

え…。

ちょっと恥ずかしくなっちゃった。


『あ、深い意味はないから!!』


水原くんも恥ずかしいのか、あわてて言葉を足した。

水原くんもこんな一面あるんだな。


『あ、そうだ、千夏ちゃんの話』


『あー、山寺、中3の6月頃、彼氏できたんだよ。
てか、告白された。みんなの前で』


「えっ!?みんなの前!?」


『そう。ジュンヤってやつに、俺の友達。
ジュンヤが前から山寺のこと気になってるって言ってたから、俺も色々アドバイスしたりして。
で、中学卒業してバラバラになる前にどうしても伝えたいって、告白することになった。
ほんとはひと気のないとこに呼び出してー…とか作戦立ててたんだけど、ジュンヤのやつ、呼び出す前に我慢できなくなっちゃって、廊下で大声で、付き合ってください!って』


「へー、すごいね…。
それで千夏ちゃん、OKしたの?」


『うん、かなりびっくりしてたみたいだけど、うなずいた。
それで周りも拍手した。俺も拍手したし』


なんか漫画みたいな話ですごいなー。

ちょっと憧れる。


< 141 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop