恋をした瞬間。
* 前の席の君 *





あ、今日も外を見てる。



あたし、夏乃は1週間前の席替えで窓側の1番後ろという、素晴らしい席にいた。



そして、あたしの前の席は柊。



柊はいつも眠そうで、ていうか授業中とか堂々と寝てるし。



だけど柊は寝ているとき以外はほぼといっていいほど窓の外を見ている。



特になにもないはずなのに、じっと見ている。



あたしはというと、そんな柊をひそかに気になっている。



キーンコーンカーンコーン…。



6時限目の終了のチャイムが鳴った。



先生は教室から出て、生徒たちも部活や帰宅をしようと教室からでていった。



柊は、鞄を持たずに教室を出て行ってしまった。



教室に残っているのはあたしと柊の鞄だけ。



また、帰ってくるよね…。






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