REALLY
僕、【鶴嫁怪 ーツルカケー】は只今噂の館を訪ね中。

随分と風情のある館。

カビの生えた焦げ茶色の壁に錆びた扉。剥げた屋根に、館には蔓が巻き付いている。

風情がとてもある。


「ホントにおるんやろかぁ…」


チャイムはなく、ノック式のようだ。

コンコン、と中指でノックをする。


「………。」


返事どころか気配さえない。


「…おらへんのやろか」


仕方がない、帰ろうと思い踵を返す。するとギィイ……と、木の扉の軋む音がした。

振り返ってみると、僅かに隙間が。

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