最愛


コンコン

「ゆり、春斗くん、いい?おりていらっしゃい」

お母さんがリビングへ私たちを呼ぶ。

ガチャ

「座って?」

ソファに体を沈める。

「ゆりちゃん、その子は誰が何と言おうと、ゆりちゃんの子だ」

おじさんが切り出す。

「だから。夏樹のこととか、うちのこととか気にしなくてかまわない。必要なら、私たちも春斗も力を貸すよ」

「もちろん私たちも」

お母さんがニッコリ微笑む。

「赤ちゃん、産んでもいいの・・・?」

みんな、笑顔で頷いてくれた。

「おめでとう、ゆり」

春斗さんがそう言ってくれる。

「ゆりちゃん、産むって決心してくれてありがとう」

おばさんは泣いていた。

お父さんは満足そうに頷いていた。

< 51 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop