別れ道での約束
出会いは春
「2年3組の浅見大智(あさみだいち)です。よろしくお願いします」


大智ははっきりしたよく通る声で挨拶をした。

私が初めて大智の存在を知ったのは、この年の最初の委員会だった。


「2年2組の望月咲良(もちづきさくら)です。1年間、よろしくお願いします」


私は大智の前に挨拶をしていた。


私たちは同じ文化祭実行委員だった。



この時、ただの隣りのクラスの人だった大智が私の大切な人になるなんて思いもしなかった。

人生、何があるか分からない。


「望月のクラス、何やるか決めた?」


初めて大智から話しかけられた言葉は今でも鮮明に覚えている。


大した言葉ではないけれど。

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