別れ道での約束
一年振りの会話
大智と別れてからの一年は本当に早かった。


寂しそうな顔をしていると危険だということが分かってから、寂しい様子は決して人前では見せないように気をつけた。


大智とはこの一年間、一度も会ってない。

大智が一度も帰ってきてないからだ。


遠い土地での一人暮らしは思っている以上にお金がかかるらしい。


飛行機代は高いから節約のために帰れないそうだ。


私が会いに行けばいいのだろうけど、大智が望まないような気がして、動けなかった。


だから、ひたすら絵を描くことに専念した。

描いていると寂しさが紛れることもあって、とにかく集中して描いた。
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