ブスも精一杯毎日を生きてるんです。


『あ、はい。食べるものなかったので。』

「ふーん…あ、そう。」

理由など聞いていないといいたげな反応だ。

男は早くも椅子に座って、チョコレートケーキを食べ始めた。

よっぽどお腹が空いていたのだろう。

チョコレートケーキはものの五分で平らげられた。

「…ブスのくせにうまいじゃん。」

満足げな顔で男は私に言った。

褒められているのは分かるが、ブスは聞き捨てならない。

『…ブスは余計です。』
< 54 / 97 >

この作品をシェア

pagetop