守(かみ)の交隣
善凶の玲皆
「あっっつい。 暑くて死にそうだ。」
「もしお前が38度で死んだら、砂漠の人達はスーパーマンか!?」
はい、現実逃避終わり。
今は、このソーラークッカーよろしくの反射を持ったこの地面を、ただ歩くことだけ考えていよう。

それも、また暑さをupさせるだけか。

それじゃあ、自分が誰なのか今一度確認してみるってのはどうだ?
うん、いいんじゃないか。そうしよう

俺の名前は、肥後守 志恋(ひごのかみ しれん)
今年、齢16となる高校1年生だ。
趣味は、特になし。好きな事は、特になし。
特技、大体の事はできる。

うーん、相変わらずつまらん肩書きだ。
真っ赤と良く表現するが、結局はあんま色は見えない太陽が、飽きずに俺の頭を焦がしていくから、もう一考え

今、俺は自分の家の近くにある商業施設にいる。施設といっても、ただアーケードが付いているだけで、要するに商店街だ。
俺は今そこをウロウロしている。

ただいま、俺こと、肥後守は独り暮らしでして、アパートに下宿しています。
でっ、家には、クーラーはもちろん無いわけで、
今からクーラー天国のスタバにでも行ってキャラメルマキアートのトールで3時間粘ろうと思ってる。
ファミレスもいいが、俺はちょっと食い物にはうるさい方でな。

っっと、こんな独り言をぼやいてるうちにすでに50メートル前に、スタバが
ああ、愛しのクーラーさん今すぐ行きます。
と、心の中で呟き目的地をガン見しながら歩きだした。

これがいけなかったのかも知れない。スタバへの距離を測るため顔面に全てを巡らせていた俺の神経で、目からこぼれ落ちたものは、耳にいっていたらしい、
そうじゃないと聞こえてはこなかったはずだ。

「誰か私を助けなさい!」
目立たない路地裏から、人に決して物を頼む態度ではない救済要請なんて……
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