気づいてよ…

下校




靴の中には何も入っていない。


じゃあ美羽はまだか。


「まだだった?」


美都が3年の靴箱から顔を出した。


「うん、まだ」


予想通り、美都は俺の隣に腰を下ろした。


何か眠いな…。


「そういえば、クラスどうなった?」


「美羽も俺も3組だったよ」


美都の顔がぱぁっと明るくなった。


なんとなく分かるよ。


「美都も3組?」


“うんうん”って頷く美都。


同じクラスだったら、運動会とかで一緒になるから嬉しいんだろう。


そりゃあ俺が美羽と同じな方が喜びが大きいと思うけど?



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