あの頃のように
何度もこっちを振り返って手を振るたびに、茶色いポニーテールが新体操のリボンのようにふわりと舞った。

明るい笑顔。


改札を通り抜けて駅の構内へ早足で歩いて行くユカの背中を、見えなくなるまで見送っていた。

水面下で感じたいくつかの小さな違和感を、芽生えた胸の高鳴りに封じ込めて。



 * * *

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