あの頃のように
俺はしばらくその場から動けず、あれこれ考えながら薄暗い小屋の中でただひとりベンチで座っていたっけ。


(……しょうがない、今日のことは今度会ったら精一杯謝ろう)


何とか気を取り直して、立ち上がる。

広い自然公園の小高い丘の小屋を出ると、外はすっかり暗くなっていた。


(——まったく、女の子は難しいな)


苦笑しながら、薄暗い街灯の明かりをたよりに丘を降りた。



しかし。


それが、ユカを見た最後になるなんて、そのときは思ってもみなかった。



 * * *

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