【超短編】Train Station
Train Station




あぁ、今日も終電か‐
23時半3分前を指す時計を見ながら思う。

この課に配属されて、はや1年が過ぎようとしている。
未だに、残業をするのには慣れない。

今日最後の珈琲を飲もうと、椅子から立ち上がったが、ずっと座っていた所為か体が固まっていた。
「う゛…、腰痛っ。」
‐今日はもう、帰ろう。

そう、決心しさっさと荷物をまとめ、電気を消し外に出る。
受付には、まだ、受付嬢が笑顔の仮面を張り付け、立っていた。
ご苦労様です、内心思いながら、外に出れば、
サァッとまだ冷たい風が、吹き抜けた。
慌てて、コートの襟を寄せ、はや歩きをし、少しでも寒さから逃れようとする。

「ヘ…ヘックシュンッ」
何処からか、誰かのくしゃみが聞こえた。
それが、体感温度を下げた様に感じた。

一心不乱に歩き続け、やっと、駅に着きホッとする。
‐やったwまだ、終電まで時間がある!
駅内にある、コンビニでさっき飲めなかった、温かい珈琲を買う。

‐これで、少しの時間は、気が紛れるかな。

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