晴れのち雨
predestinate



「保坂先生ー!!」




制服に身を包んだ少女達が走ってくる。


「どうしたの?」


「先生あのね、大問4のここが〜・・」


彼女達に授業での質問に答える。


「先生ありがとうございました!!」


パタパタと走って行く彼女達を見ながら、自分の学生時代を懐かしむ。




大学を卒業した私は、念願の英語の教師になっていた。


"保坂先生"と呼ばれる度に、大切な人を思い出す。




窓の外はコートを来た学生達が、寒空の下をきゃっきゃと楽しそうに歩いていた。

冬休みも近づき学生達のテンションは日に日に上がっていた。




12月24日ー
私の働いている中学校の終業式の日。
そして、約束の日。


"5年後"がいつなのかはちゃんと分からなかったが、会えるならきっとこの日だろう。



24日の午後5時から1時間
あの日先生が私を待ってくれてたように、今度は私が先生を待っていよう。
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