晴れのち雨


冬休みが終わり、今日は始業式だった。


今日は出張から帰ってくる先生と仕事終わりに会う約束をしていた。


夜7時に今は工事中のあのビルに待ち合わせ。


朝出て行く前に、久しぶりに天気予報を見た。

「晴れのち雨か...」

先生は雨が恐いって言ってたけれど、私はいつの間にか好きになっていた。





仕事を終えて、一度家に帰ってから待ち合わせ場所に向かった。


少し早く来たせいか、待ち合わせ場所に先生の姿は無かった。


「あれ?」


見覚えのある車が目に留まった。
先生の車だ。

持っていた車の鍵で車を開けて、車内で待つことにした。



車の時計が7時を告げると、先生からメールが届いた。

遅れる連絡かな??

メールを見ると

『ボックスをみてね。』


指示通りボックスを開けると、一通の封筒が入っていた。



ざわざわ。ざわざわ。

嫌な予感がした。


中に入っていた数枚の手紙を読む。

何度も何度も読んだ。


パサッー

外で雨音が幻想的な演奏をする中、
ひとりぼっちの車内では紙の落ちる音だけが響く。




ねぇ、先生?
嫌な予感ほど当たるんだね...
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