皇帝のサイコロ

6マス進む


快晴の中、徒歩でカレー屋へ行く。

階段を上って重いガラス戸を引いた。

そこは事務所になっていた。

「面接に来ました。飯島です」

それまでパソコンに向かって作業をしていた 3人が立ち上がり、入り口のすぐ横にある丸いテーブルへ移動した。

「どうぞ」

空いている席を手のひらで差される。

「……よろしくお願いします」

一つ開いている椅子を引き、座る。

3人も面接官がいるなんて本格的じゃん!

小さいカレー屋のくせに!

内心パニックだ。

勝手に面接官は一人だけだろうと決めつけていた。
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