戸田くんの取り扱い説明書
清華ちゃんは、可愛い。
クラスでもモテる方だと思う。
これまた清華ちゃんも、モデル並みのスタイルの持ち主。
どうしてこうも、私の周りにはキラキラしてる人達ばかりなのだろう。
神様、これは不公平じゃありませんか?
清華ちゃんは、栗色のふわふわカールした長い髪をポニーテールにして、同じ色の綺麗な瞳。
長い睫毛は、見事に全部上を向いている。
そしてフランス人形みたいに小さく色白な顔。
ほっぺには、桜色のチークが入っていて、ほんのりピンク色。
唇にも、リップクリームが塗られていて、つやつやしている。
手足も長く、八頭身以上あるんじゃないかと思ってしまうほどだ。
加えて、優しい。
誰にでも平等に接する清華ちゃん。
これだけで、清華ちゃんがモテる理由は一目瞭然だろう。
「今日は、男子走ってるね」
体育館とグラウンドが出入りできるようになっているところに2人で腰掛けたところで、清華ちゃんが言った。
「うん」
季節は秋といえど、まだまだ暑い。
お日様がさんさん照りつける中で、男子のみなさんは走っている。