ドールハウス・ツインズ
【Art.2 :♢受験♢】
カランカランッ
不気味な鈴の音が鳴いて
ギィっと扉が開いた
綺麗に言えば【主役】
悪くいえば【犠牲者】がやってきた

【♢受験♢】

「ようこそ、人形館へ」
願いが叶うと聞いた、人形館
俺にはどうしても叶えたい願いがある
だから今日ここに来た
「あの…」
俺が喋ろうとすると途中で遮られた
「貴方がここに来たのは願いがあるから
そうでしょう?」
なんていい勘だ
「はい」
俺は素直にはいと答えた
「素直な子って僕好きだよ」
ニコっと笑う男の子は、机に座った
「僕は鋏殺…っていうんだ」
「俺は慎太郎…」
「それで、願いは?」
「俺、今年受験生なんだ」
そう俺は今年受験生…
行きたい高校があって…日々頑張っている
「貴方の願い叶えましょう?」
「へっ…?俺まだなにも…」
「高校受験、合格を願いたかったんでしょ?」
何この人、エスパー!?
「受験生でわかったよ」
ああ、そういうことか…


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