恋人ごっこ

08.メロウ一歩手前

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■ メロウ一歩手前








まとまらない自分の頭の中が憎らしい。










「かーずは、何してんの?」


休み時間に、由梨はあたしの教室に来て、あたしを見て首を傾げた。


「何って…巻かれてるの」


あたしは自分の席に座ったまま、彼女の問いに答えた。
頭上では、クラスメイトが楽しそうにあたしの髪にコテをあてている。


「いやーだって秋川さんの髪って綺麗なんだもん。
いつものユルフワも素敵だけど、ちゃんと巻いてみたかったんだよねー」


「ユルフワって…あれ何もしてないんだけど」


鼻歌まじりに手を動かすクラスメイトの言葉に、あたしはツッコミを入れた。


「へー、でもどういう心境の変化よ。」


「断る理由もなかったし、たまにはいいかなぁって思っただけだよ」


あたしは小さくため息をついて、早く終わるようにじっとしていた。


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