どうしようもない幼なじみに…



 私、桜井桃花。

 四月で高校一年生になったばかりの十五歳!明後日、五月二日で十六歳になるんだ。

 隣のコートでダンクを決めたのは私の幼なじみ、青柳大和。幼稚園の時からずっとバスケをしてるバスケバカ。

 って言ってる私も大和の真似で小二でバスケを始めて以来、ずっとハマってるんだけどね。

「大和、ナイシュー!」

 後ろでまた声がした。

 目を後ろに向けると、ゴールの下で大和がしゃがんでいた。床に落ちるバスケットボール。大和は天才だと私は思う。

 跳躍力、攻撃(オフェンス)、防御(ディフェンス)、体力、スピード、シュートの正確さ。

 全てが今年の男バス一年生の中ですぐれている。もしかしたら、二年生や三年生も上回ってるんじゃないかなって私は思う。

 大和が立ち上がった。体育館に吹き込んできた風で、大和の青い短髪がなびいた。

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