野獣に魅せられて・・・

潤也side

アメリカ行きが決まったその夜。

・・・

オレは未来に会う約束をしていた。

「・・・待たせて悪いな」


オレの言葉に、

笑顔で首を振った。


「話しって何?」

そう言ってまじまじと見つめられ、

オレは思わず俯いた。


未来と別れた方がいいと思っていたから。

数年間離れ離れ。

ただでさえ、玲奈の事で傷つけたのに、

遠距離をして、

もっと未来に辛い思いはさせられない。

・・・

「仕事で、アメリカ行きが決まった」

「・・・え?」

オレの言葉に、目を見開いた未来。


「…数年、行く事になるんだ。

だから・・・」


「・・・そう。私と別れたい?」

そう言った未来は、何かを決意したような、

そんな眼差しだった。
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