野獣に魅せられて・・・
6.サヨナラの言葉は…好き
数日後。

目の前では、別れの挨拶をする

正樹の姿がそこにあった。

・・・

正樹と一緒に、

潤也もまたアメリカに発つことが分かり、

でも、潤也と離れる事を、

悲しいと思うことはなかった。

・・・

「・・・玲奈」

名前を呼ばれ、振り返ると、

そこには潤也の姿がそこにあった。

・・・

「・・・アメリカ行き、

おめでとうと言うべきかな?」

私の言葉に、潤也は笑った。

・・・

「…おめでたい事、なのか?

まぁ、帰ってきたら、約束されたポストが

オレを待ってるから・・・

おめでたいこと、だな」



「…私ね」


言いかけて、潤也は私の唇に、

指を置いた。

「オレ・・・

気が付いたんだ・・・

誰が大切なのか・・・」
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